【詩】記憶の持続性
水底に潜む花
身体は動かない。
身体は水の中。
手足の鉄鎖は水より冷たい。
永遠に沈んでいく。
流れに身を任せるだけ。
いつか辿り着くのでしょう。
報いを受けるその場所まで。
 
それでもこの流れは心地好い。
すべてを清めてくれるのでしょうか。
だとしたら、この先にあるのは報い?
それとも救い?
 
どちらも同じなのかもしれません。
報いは救い。
救いは報い。
世界はきっと私の業を許しません。
だからこの身は流れ、沈んでいくのです。
深く深く。
光さえも届かない。
 
夜明けが来たら、この身は塵となるのでしょうか。
そして永遠の水底に積もっていく?
 
無となるのでしょう。
始めから無かったものとして。
 
いいえ、私は水になりたい。
世界を満たす水になりたい。
 
この身が朽ちても私の想いはいつまでも流れることでしょう。
それだけは鎖に繋がれてはいないのですから。
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