ワ ス レ ナ グ サ 。
朝起きると、身体が酷く重く感じた。
『そうだ、京香…』
そうして、起き上がる。
そこまでして、ハッとした。
“具合悪いから行かない。”
会えない。
行かないって言ってたし…。
京香の様子が変だった。
『コンビニ…、行ってこよ…』
俺は、軽く着替えてコンビニに向かった。
パンやらコーヒーやらを買って、コンビニを出た。
コンビニから、俺と京香がいつも待ち合わせしていた屋上が見える。
ふいに、屋上を見た。
『なんで…っ、』
そこには、京香がいた。
そして、知らない男が、京香の肩に手をまわしている。
『…っ…!!』
何を話しているのかわからないけど
京香は、優しくその男に微笑みかけていた。
…京香?
その男と会うために、俺の誘いを断ったの…?
そいつ…、京香のなんなの…?
俺は、笑いあっている二人から、目を離せないでいた。
たまらなくなって、京香に電話をかける。
プルル..プルル..
今日は、いつもよりコールが多い。
その男がいるから、電話に出るのを躊躇ってるの?
5か6コール目ぐらいで、京香はやっと電話に出た。
《…もしもし?》
『京香?具合大丈夫?』
心臓はバクバクいってるけど、俺は平然を保った。
《うん。もう大丈夫だよ♪》
昨日とは違う、優しい声。
『いまさ、どこにいる…?』
《え?…家だけど》
どうして、嘘つくの…?
目の前にいんじゃん…。
『いまから行っていい?』
《え…っ、》
『ダメ?』
《あ、えっと…、ごめん。部屋汚いし、スッピンだし…。》
『そっかぁ。わかった』
俺は、電話を切った。
ほんとは今すぐにでも京香の所へ行って、一緒にいる男を殴ってやりたい。
なんだか、このままじゃ嫌で、俺は確かめることにした。