ワ ス レ ナ グ サ 。
家に帰ると、ベッドにダイブした。
そして、なにもかもを忘れるように、眠りについた。
ピンポーン。
ピンポンピンポン…
俺は、うるさい玄関のチャイムで目を覚ました。
『…はい…?』
俺は寝ぼけながら玄関のドアを開けた。
そこにいたのは…
『和也…っ、』
いまにも泣き出しそうな、京香―。
大粒の涙を流す京香。
『なに?どしたの!?と、とりあえず…』
なにがあったのかよくわからない俺は、とりあえず京香を家の中にいれた。
家の中に入ってすぐ…
『和也のばかっ!!』
『…はぁ!?』
いきなりやってきて、ばか!?
待って、何が!?
『浮気者っ!!最悪!!大っ嫌いっ!!』
浮気…?…あっ!!
『あれは違っ…!!あっちが無理矢理してきただけで、俺の意思じゃなくて…!!』
『うるさいっ!!言い訳なんか聞きたくない!!』
なんだよ…っ!!
『んだよ、京香だって浮気してんじゃんかよっ!!今日、あの屋上で男といたくせに…っ!!』
『…っ!!』
京香は、見られてたの…?とでも言うような顔をした。
だけど、
『和也が浮気したからじゃん。』
『んだよ、それ…。マジ意味わかんねぇ。してないって言ってるだろ!!』
『っ、うるさい!!もう嫌い!!大っ嫌いだよっ!!』
『…別に。俺だって嫌いだよ。』
すると京香は、急に涙を流し始めた。
『もう、最後だね…。別れなくちゃね。…っ、ばいばいっ』
この
“ばいばい”
が、本当の永遠の別れに聞こえた。