ワ ス レ ナ グ サ 。
好きな花..*
次の日。
今度は京香から連絡があった。
《今日…、会えるんだよね?》
心配そうなキミの声が聞こえた。
『いまから会いにいくよ。』
《うん、待ってる》
俺だって、めちゃくちゃ会いてぇよ。
チャリを飛ばして、京香の家の前。
さっきメールしたから、そろそろ出てくるだろう。
『和也っ♪』
眩しいくらいの笑顔で俺の名前を呼ぶ。
『乗って。後ろ。ちょっとドライブ♪』
『えー、チャリで?(笑)』
からかわれても、すごく嬉しい。
京香はニコニコしながら、チャリの後ろに乗って、俺の腰に腕をまわした。
風が吹き、俺が自転車をこぐ。
『あ、止まって!?』
京香が急に言うもんだから、俺は急ブレーキをした。
京香は自転車の後ろに乗ったまま、一輪の花を見つめている。
『…勿忘草?』
『そう。好きなの』
『へぇー。』
この花が、こんなにも俺たちの恋愛に関わるなんて
この時は知らなかった。