ワ ス レ ナ グ サ 。
隙間..*
やっと、やらなければいけないことが済んだ。
京香に明日会うつもり。
明日会う約束をしようと、京香に電話をかけた。
プルル...プルル...
キミが、通話ボタンを押した。
《もしもし…》
『あ、俺!!明日会える?』
《具合悪いから行かない。》
京香が発した冷たい声。
俺がなにも言えずにいると、一方的に電話は切られ、機械音だけが虚しく耳に入った。
『和也ー。いつまで起きてるの。早く寝なさい。』
しばらく放心状態だった俺は、母親の声でハッとした。
『わかってるよ…』
俺は布団に入った。
だけど、初めて聞いた京香の冷たい声。
そのことばかり考えてしまって、寝れるはずがなかった。
『なんで…?』
机の上に置かれた、開いたままのケータイに問いかけても
当たり前だけど
答えなんて出なかった。
このまま起きていると、余計なことまで考えてしまいそうだったから
俺は無理矢理、目を閉じた。
すると、やっと眠気がやってきたので
なんとか寝ることができた。
―夢を見た。
暗い中で、京香が一人で泣いているんだ。
俺は始め、足が動かなくて、それを見ていることしかできなかった。
やっとの想いで足を動かして、京香のもとへ行った。
涙を止めてあげたくて、俺は京香を抱きしめようとするんだけど…
…京香は消えてしまうんだ。
そして俺は、京香のいなくなった暗闇の中で、一人立ち尽くしている。