社員寮でラブ!

自分だって直せなかったくせに人に大人になれとか言える?

言われたくない。


「分かってるよ・・・

私だって・・・」


『大事なもの』・・・『大事な人』


無くす


「無くす以前に手に入ってないし・・・」


どうやったら手に入るかも

分からない


ガン!


イライラして

隣の丸イスを蹴ると


丸イスはそのまま倒れて転がった。



こうやって物にあたるのも

「大人になれてない証拠・・・なのかな?」


大人な壁下さんには

私なんかじゃ

「やっぱりダメなのかな・・・」



また涙が出て来た。


こんなところで一人で泣いてなんかいたくないのに!

海パン壁下め!


いっそキライになれたらどんなにいいか!


キライになれたら

でも

キライになる理由が思いつかない。



「基本、私服が海パンだよ?」


それだけで前ならキライになる理由になった。


でも

「慣れちゃったし、あれって壁下さんの個性だよね?」


彼を擁護する自分がいて

海パンぐらいじゃキライになれない。



そんな私に


“あきらめ”


と言うものがやって来た。


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