社員寮でラブ!
それから

壁下さんは私に何も言わせないで

ギューって抱きしめて

そのまま

「今回の件は、関係者がみんなそれなりの処分を受けてる。僕だけ特別って訳にいかない。

実を言うと転勤の話は前からあったんだ。

今年の春にレナちゃんが入社するの知ってたから断ってたんだけど・・・」

なんだか知らなかった真実?

え?私が入社するから・・・って?

「ここで初めて会ったときのこと覚えてる?

レナちゃんは、僕のこと嫌ってたよね?

確かに海辺でもないのに海パンで若い女の子の前をウロウロするヤツなんか気持ち悪いだろうけど?」

うん。確かに私嫌ってた。

「だけど、僕は反対にその大きな目で睨みつけてくるレナちゃんが気に入った。

たぶん、一目惚れ。

だれかれ構わずに媚を売るんじゃなくて好きと嫌いをはっきりさせてていいと思った。

僕はね、知ってのとおり結構誰にでもいい顔しちゃうタイプ。

だから仕事も自分の思った仕事してない。」

「したい仕事があるの?」

「そう。この会社って入社して研修後に配属が正式に決まるでしょ?

思いがけず宣伝部になんか配属されて、でもイヤとも言えずに流され流され今日に至ると言う訳。」

「レナも秘書なんかになっちゃった。」

でも、これと言ってしたい仕事もなかったし・・・壁下さんと違う

「当初は、今回の転勤先に配属になる予定だったんだ。」

「それって・・九州の?」

「そっ、関連会社に出向ってかたちで配属される予定で、なのに辞令が下りたら本社の宣伝部。

当時の上司に気に入られたらしくって・・・ね。

だけど、今向こうで新しいプロジェクトを立ち上げててそれに僕も本社から応援に行ってて・・・」

このところの出張はそのためだったんだ。

なら・・

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