言葉にできない想い。
「ねぇ!!」

楓が、あたしと羽田君に声をかけた。

「何??楓っ」

「今度さぁ、遊びに行かない!?」

楓は、目を光らせて言った。

「えっ。」

「羽田と、羽田の友達と、那海と、あたしで!!」

―まさかの事態。

ちょっと呆然とする。

「いいよ。俺は。」

羽田君はにっこりして、楓に言った。

「那海は!?」

「い、いいよっ」

「んじゃぁ決まりだねっ」

楓は鼻歌を歌いながら、ノートを書いていた。

(授業中だったんです。えぇ。)

「た、楽しみだねっ!!」

あたしは、おずおず羽田君に聞いてみた。

どうしてか、話しかけるのにも勇気がいるようになった。

返事がどんなのか、すごく…


ドキドキする。



「うん。楽しみ。誰誘おうか考えてた!」

そう言って、無防備に笑う羽田君を見て、

また苦しくなった。


―ほら…。


笑っちゃ、駄目だよ。

胸が苦しくなっちゃう。
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