言葉にできない想い。
「春野!!!!!」

「はいぃぃっ」

ゆらりと動きながら先生が来た。

「またお前は宿題を忘れて!!!!」

そう。

朝早く起きてやるはずだった数学の宿題を

余裕で寝坊して、やってこなかったのだ。

「すいませんっ」

「謝るんなら、ちゃんとやってこい!」

「はーい」

あ~ぁ。

これで5回目だよ…。

まだ四月…ん?

「今日って何月何日!?」

「5月の1日だよ?」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

もう5月になっていた。

は、早すぎる!!

前はもっとひと月が長く感じたのに。

もう、席替えになってしまう。

しょんぼりしてると、


ポンっ


机に小さな紙が。

開いてみると

「今日、買い物に付き合ってくれる? 優真」

と書いてあった。

パッと隣を見ると、羽田君が

ニコニコしていた。

「いいよ♪ 那海」

と書いて、机に置く。

そして、目があって笑いあう。


こんなに幸せなのは初めてだった。
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