言葉にできない想い。
「あのぅ。」

「はい??」

「1年3組ってどこですか???」

「は、はぁ??」

那海は、この狭い校舎の中で迷子に。

方向音痴のためだ…。

―どうしよう…呆れられてる…

男子に聞いたのを後悔しながらオロオロ。

「ちょうどおんなじクラスだし、一緒に行こう。」

「えっ。」

そんな、オロオロしている那海の手をひっぱり、

1年3組に連れて行ってくれた。

その手は温かいようで冷たかった。

そして、どこか悲しい目をしていた。
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