言葉にできない想い。
「あっ。」

羽田君は急いでその紙を拾った。

「大丈夫??」

「うん。…見た…??」

心配そうに聞く羽田君を見て、あたしは

「ううん。見てないよ。」


…嘘をついてしまった。



―あの女の子、誰だったんだろう??

見てしまった写真の中には、

羽田君らしき人と、ものすごく可愛い人がいた。

2人共、写真の中で満面の笑みだった…。

その笑顔を見たとき、

あたしは胸が苦しくなった。


―まだ、見たことのない笑顔。

どうして、こんな風に笑わないのだろう。

胸を押さえながら思った。
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