恋時雨
中学2年
1年前のこと・・・
何気なくふと窓から外を見ると
ガタガタと音を出し工事している。
たくさんの家が建てられていく。
入学した頃は1軒も無かったのに
今では20軒は軽く建っている。
「・・・宮平!・・・宮平!」
誰かが私の名前を呼んでいる。
「・・・み~や~ひ~ら~」
小声で呼ばれ肩を誰かに叩かれた。
!!
そのとき私は我に戻った。
叩かれた方を見てみると
隣の席の竹口がいた。
「おい!前!」
そう言われて前を見ると
担任の角谷とクラスメートが
私をじっと見ている。
「あっ。」
その声と共に私は起立した。
誰も何も言っていないが
私はその状況を察した。
そういえば今国語の授業中
だった。私はいつのまにか
うわの空になり空を見ていたのだ。
「宮平~・・・最近上の空
多いで~。気ぃつけや!」
「はい・・・すいません・・・。」
「分かったなら座り~。」
「・・・。」
自分でも最近上の空になりがちと
いうことはよく分かっている。
最近ノートもろくにきちんと
書いていない。
「ダメだなぁ・・・私。」