私こそ光る☆君 ~体育祭編~
でもその分すぐ近くから声が降ってきて、まるで耳元でささやかれているように感じる。


なんか、恥ずかしい……。



『別に文句なんか言ってないもん……//』


私がつぶやいたこの言葉に遥の反応は無かった。


さきほど肩に担がれた時のように落ちそうだとかそういう不安はない。

細身でありながら意外なほど力強くて、安心できる。


遥の腕の中、一定のリズムで揺られながら何も考えずにただ黙って運ばれていた。





ベシベシッ。


『ん~……』


ベシッ。


「さっさと起きろ!!」


少々強めに叩(はた)かれて仕方なく目を開けると……?



『うわっ!!』


いきなり遥のどアップにご対面して驚いた。


「何寝ボケてんだよ?

ったく、人の腕の中で勝手に寝やがって……」


ぶつくさ文句を言いながら遥は私を地面に降ろした。


そっか、私あのまま寝ちゃったんだ……。


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