私こそ光る☆君 ~体育祭編~
涙は見せない。

負けるみたいで悔しいから。


けれどそれも限界だった。


『嫌いなら、笑いかけないで。

よけいに惨めだからっ……』



決して大きな声ではなかったが、悲鳴に近い声を上げると、バンッと激しい音とともに部屋を出た。


ドアを乱暴に閉めた後、その場に膝から崩れ落ちる。

足に力が入らなくなったのだ。


壁を背に、笑う膝を腕に抱える。



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