私こそ光る☆君 ~体育祭編~
広いグラウンドの中、たくさんの人の中でもその姿は輝いて見える。

スクリーンいっぱいに映し出された笑顔に、不思議と吸い寄せられるような力を感じた。


なぜか目を逸らすことができず、そのまま見つめていると偶然にも清龍と視線がぶつかる。


『……っ!!』


私の姿をとらえた清龍はゆっくりと頷いてみせた。



何だろう?

それを見た瞬間、心がフワッと軽くなった気がした。


退場ゲートへと向かう清龍の背中を目で追う。



『ありがとう、清龍……』


届いてはいないだろう。

けれどそんな言葉が自然と口をついて出た。


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