私こそ光る☆君 ~体育祭編~
観客席から落胆の声が上がる中、転倒した選手は慌てて立ち上がり、再び走り出す。

だが、その様子はどこかおかしい。

転倒する前よりスピードが落ちているし、痛々しげに見える。


まさか……?

さっきので足挫いちゃったの?



結局次の選手にバトンが渡った時には、半周近く遅れをとってしまっていた。


目の前の絶望的な状況は選手たちのやる気をも削ぐ。

ベストをつくそうと思っていても、心のどこかに諦めのような感情があって100%の力を出し切れずにいる。

そんな様子が見ていて伝わってきた。


一方、白組の選手はほぼ勝利を確信し、足取りも軽い。

余計な力が抜けている分、いつも以上の力を発揮できているようだった。


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