私こそ光る☆君 ~体育祭編~
そんな中、ようやくアンカーの遥にバトンが回った。

バトンが手渡された瞬間、グッと加速する。


白組に遅れること半周。

前を走るのは白組アンカーのお兄ちゃん。


信じられないことに遥はその差をみるみる詰めていった。

アンカーはそれまでの選手の倍の距離、つまりトラック2周を走る。

一周目を終えた時点で二人の距離は十数歩というところまで縮まっていた。


他の選手とは比べ物にならない速さ。


まだ諦めていないのだ、遥は。


それがわかると胸の奥が熱くなり、無意識のうちに叫んでいた。


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