私こそ光る☆君 ~体育祭編~
「っ、ハァ、ハァ……」


聞こえてくるのは荒い息遣い。

覚えのある感覚。


この感じは……遥だ。


息が乱れているのはさっき全力で走ったから?

それとも、ここまで走ってきたから?


なんて、いつもなら大騒ぎするに違いないのに呑気に考えてる私は奇跡に近い勝利に酔っていたのかもしれない。


「勝った、から……」


まだ苦しい息の間に徐(おもむろ)に言葉を紡ぐ遥。


『……うん』


その言葉ににっこりと笑って頷いた。


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