私こそ光る☆君 ~体育祭編~
閉会式終了後、校舎の屋上に集まった面々。
6人の間に流れる空気は、重い。
「それじゃあ、約束通り奏はもらうから。
奏、行こう」
話を手短に済ませると、こんなところからは一秒でも早く抜け出したいとでも言うようにお兄ちゃんは足早に私に近寄り、手を取る。
そのまま連れ去ろうとする。
私はその手を思い切り振り払った。
『嫌っ!!』
「奏!!」
お兄ちゃんが珍しく険しい顔つきで私を見る。
テレビや他の人の前でたとえどんな顔をしていても、私にはいつも優しかったお兄ちゃん。
いつも私のことを心配していて、時々それを疎ましく思うこともあったけど、やっぱり優しいお兄ちゃんが好きだった。