私こそ光る☆君 ~体育祭編~
『……どうして?

どうしてお兄ちゃんは私が嫌がることをしようとするの?』


「奏、約束しただろ?」


『……っ』


そんなの分かってる。

私の言ってることはフェアじゃない。

こんなのはただの我が儘だ。


「それにこれはお前のためでもあるんだ。

母さんが思いつきでお前を芸能界に入れようとしたとき、俺には止めることが出来なくてずっと後悔してた。

芸能界は半端な覚悟でやっていけるほど甘くはない。

けど一度デビューしてしまった以上、すぐに引退するのは難しい。

なら、せめて俺の傍において守ってやれたらって……」


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