私こそ光る☆君 ~体育祭編~
どう考えてもお兄ちゃんの言ってることの方が正しくて……。

こんなにも思われてるってわかって嬉しいはずなのに、どうしても笑えなくて……。


唇を噛み締めて、ただ俯いていた。



するとどこからか誰かの手が伸びてきて顎に添えられ、上向かされる。


「やっぱり……。

女の子が自分を傷つけるなんてしちゃダメじゃないか?」


そう言って、優しく唇に触れる手は紫水のもの。


『……ッ!!』


その行動があまりにも予想外で、唇に立てていた歯を引っ込める。


どうして?

紫水は私のこと嫌いなんじゃないの?

なのにどうして今さら私に構うの?



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