私こそ光る☆君 ~体育祭編~
「……んっ」


『あっ、起きた!!』


軽い呻き声と共に遥は目を覚ました。


「ここは……?」


横になったまま、まだぼんやりと焦点の合わない目を瞬いて辺りを見回す。


「保健室だよ☆」


「そうか、あの後倒れて……」


そう言う遥の顔からは赤みも引き、呼吸も落ち着いていた。


遥が倒れた後、久保先生にことわって由依と清龍、紫水の3人と一緒に遥を保健室に運んだ。

まあ実際には紫水は指示を出していただけだから、3人で運んだようなものだけど……。



「ただの知恵熱だから心配いらないらしい」


含み笑いをしながら紫水が遥に告げる。

その様子を見て遥は眉を寄せる。


「何だよ、気持ちわりぃな……」


「クスッ……、だってその歳になって知恵熱だなんて……」


いつもの作り笑いと違い、どうやら本気でツボに入ったらしい。

肩を震わせて笑っている。


「っせぇな……」


遥の頬にまた少し赤みがさした。


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