私こそ光る☆君 ~体育祭編~
そんな皆を尻目に、紫水の言葉はまだ続く。


「僕、好きな子の泣き顔見るの好きなんです。

ああ、今この子の心の中には僕しかいないって感じることができるから。

でも、それって自分で泣かせた場合限定なんですよね。

他の誰かに泣かされた顔見るのなんて、はっきり言って不快でしかないんですよ、センパイ?」


「……っ!!」


“センパイ”と妖艶な笑みを携えて呼ばれ、お兄ちゃんはビクッと背筋を震わせた。


“好きな子”って紫水が口にした時、みんな何だかそわそわしてたような……?

気のせい、かな?


それにしても紫水に想われる人って大変だよね。

ものすごく歪んだ愛情表現をされるんだから。


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