私こそ光る☆君 ~体育祭編~
「嫌だな、恨みだなんて。

そんなもの抱くわけないじゃないか、お兄さんに」


『……!!』


もしかして……また心の声が漏れてた~!?


「そうだね。

でも、好きな子にひどい誤解をされて僕の心も痛んだことだし、これでも使って癒すことにしようかな」


ハァ~、なんてわざとらしくため息をついた紫水は、どこに隠し持っていていつの間に取り出したのか、少し大きめの茶色い封筒を手にしていた。


「し~ちゃん、何それ?☆」


「まあ、そんなに急かさずに」


逸(はや)る由依を軽く窘(たしな)め、もったいぶるようにして紫水が封筒から出したのは数枚の紙。


「お兄さん、これ世間に広めてもいいですか?」


「なっ!!」


さっきまで何を言っても聞かなかったお兄ちゃんが、恐ろしいほど機敏な反応を見せた。

紫水の手にある紙を一瞥するなり、手を伸ばしてそれを奪い取ろうとしたのだ。


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