私こそ光る☆君 ~体育祭編~
「ヒカちゃん、ウチの高校ってね、行事絶対強制参加なの。
知ってた?☆」
『えっ?
そうなの!?』
知らなかった~。
「ちなみに参加しなかった場合、即留年決定だそうだよ」
紫水が補足する。
相変わらず爽やかな顔ですごいこと言ってくれるよね、この人って……。
「そこが卑怯なのよね、あの狸ジジイ。
有名プロデューサーに有名脚本家、有名カメラマン、名監督。
業界の著名人をみんな招待して、さらに一般の客まで集めて入場料をガッポリ取る。
ウチのタレントで金儲けしようなんて……」
よっぽど腹立たしいらしく、運転しながら志乃さんは歯軋りをしている。
『見るのにお金がいる高校の体育祭っていったい……』
業界の厳しさを垣間見た気がする。