私こそ光る☆君 ~体育祭編~


「ヒカちゃん、ウチの高校ってね、行事絶対強制参加なの。

知ってた?☆」


『えっ?

そうなの!?』


知らなかった~。


「ちなみに参加しなかった場合、即留年決定だそうだよ」


紫水が補足する。


相変わらず爽やかな顔ですごいこと言ってくれるよね、この人って……。



「そこが卑怯なのよね、あの狸ジジイ。

有名プロデューサーに有名脚本家、有名カメラマン、名監督。

業界の著名人をみんな招待して、さらに一般の客まで集めて入場料をガッポリ取る。

ウチのタレントで金儲けしようなんて……」


よっぽど腹立たしいらしく、運転しながら志乃さんは歯軋りをしている。


『見るのにお金がいる高校の体育祭っていったい……』


業界の厳しさを垣間見た気がする。


< 24 / 186 >

この作品をシェア

pagetop