私こそ光る☆君 ~体育祭編~

『だって、何だかよく分からないけど争いのもとになってるみたいだし……』


それに、さっきから後ろ二人の視線が痛いです……。


「ヒカちゃんは分かんなくてもいいのっ☆」


再び由依を引き剥がしにかかった遥の手をベシッと振り払って由依は言った。

いや、心なしか気持ちに焦りが見えて、叫んでいるようにもとれる。


『……どういうこと？』


分かんなくてもいいって……？


「何でもない。

ヒカちゃんのことみんな好きだから一緒にいたいなーって思ってるだけ。

それだけだよ。

僕もヒカちゃんのこと大好きっ☆」


一瞬で顔色を変え、満面の笑みを浮かべて抱きつく腕に力を込めた由依。


何かが違う。

心の中でそう感じながらも口から出てきたのは、


『な～んだ。

僕も由依のことが大好き。

みんなのことが大好きだよ』


という言葉だった。