私こそ光る☆君 ~体育祭編~


出来れば言いたくなかった。

お兄ちゃんのことを話せばきっとお母さんやお父さんのことも話さなきゃいけなくなる。

そしたらきっと、親の七光りだって思われちゃうから……。


周りの喧騒がどこか遠くに聞こえる。



でもこうなったら仕方がない。

言わなくちゃ……!!


覚悟を決めて口を開いた。


『僕とこの人は「恋人同士だっ!!」


エッ……?

ええぇぇええ~!?



急に遮られた言葉。

お兄ちゃんは言うと同時に私の肩を抱いて引き寄せ、にっこりと微笑んだ。



「「「「「ええぇぇええ~っ!?!?」」」」」


教室中に耳をつんざくような悲鳴が響き渡る。


あっ、やっぱりみんな聞いてたんだ……って……。


それどころじゃないっ!!

何この展開!?

お兄ちゃん、何恋人宣言しちゃってんの!?


< 42 / 186 >

この作品をシェア

pagetop