私こそ光る☆君 ~体育祭編~
そっと抱き返すと安心しきった表情を由依はする。

それを見て自然と顔が緩む。


この時安心したのは由依だけではなかった。


額にうっすらと浮かんだ汗を拭いながら、


「良かった……」


と遥が小さく独り言をこぼす。


いつもならここで話をかき回すのは紫水だろう。

ところが今回は違った。


「気にいらねぇな……」


ぼそりとつぶやいたお兄ちゃん。

何か考え込んでいる様子だ。


それを見て私は何か嫌な予感がした。


こういう時ってだいたいろくなことがないんだよね……。


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