私こそ光る☆君 ~体育祭編~
「ん~、最初はハルちゃんが持ってたんだけど、しーちゃんが貸してもらったんだって。

しーちゃん、リストを何かに使うみたい☆」


つまり、“紫水が遥からぶん盗った”と。

それにしても紫水、また何を企んでるの?



「あっ、し~ちゃん!!

出場競技リスト見せて☆」


前を歩いていた紫水の背中を見つけて、由依が声をかけると紫水は振り返った。


「ああ、これかい?

もう僕には必要ないからあげるよ」


手にしていたリストを由依に渡し、それから思い出したように付け加えた。


「ああ、そうそう。

席の話だけど、ちょっとしたコネで特別観覧席を取ってあるから、場所は近くの警備員に聞いて自由に使って。

僕も後でいく。

それからこのこと、遥とセイにも伝えて」


一方的に言うだけ言うと紫水はあの胡散臭い笑みを残し、足早に去っていった。


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