私こそ光る☆君 ~体育祭編~
「光くんってば、だ・い・た・んv」


『ぐえっ』


当然逃げる間もなく、即捕獲。

抱きつかれた瞬間、蛙の潰れるような声が出た。


結局、不本意ながらにも言われた通りに“思い切り胸に飛び込む”結果になってしまった。




「光くん、二人で体育祭抜けない?」


障害物競走が終わってもなかなか離してくれないルリちゃん。


『あ、いえ僕はメンバーのところに戻ろうかなぁと……』


先生が生徒にサボリをすすめていいのか……?


「ほら、行こ?

近くにコーヒーの美味しいお店があってね……」


人の話なんて聞いちゃいない。


ルリちゃんは一方的に話しながら、その見た目からは想像できないほどの力でグイグイと私を引っ張っていく。


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