【短編】シャーペン
溢れてくる涙を止めることはできなくて。
悔しくて、
悲しくて、
辛くて、
別に、百合をかばったことを後悔してるんじゃなくて…
波留が私のことを簡単に信じたことが、嬉しいようで悔しくて。
波留から最低って言われたことが悲しくて。
波留が美亜ちゃんとどこかへ行ってしまったことが辛くて。
涙は溢れて来た。
横で百合は涙目になりながら謝って来た。
「ゆ…りは、悪くな…い…よ?」
「ちゃんと、誤解を解かなきゃ!」
私は、波留達を追いかけて行こうとした百合の手を握って阻止した。
「大丈夫… 百合が悪者になる必要なんてないよ。 私が大声出したのがいけないんだから!」
私は涙を拭うと笑顔でそう言った。
無理してないよ。
私は大丈夫・・・