【短編】シャーペン



下駄箱の中の靴に手を伸ばした瞬間に、視界が人の影によって少し暗くなった。



しかも、その影はなかなか動こうとはしなかった。


誰だよっ。



後ろを振り向くと、思っていた以上に背の差があったことに驚いた。


ってそこ!?


普通は波留がいることに驚くんじゃない?



「…波留?」


「…お前さ、なんでなんにも言ってこないわけ?」



私は何をいわれているのかわからずに瞬きを高速でしているのがわかる。


思わず"Pardon?"って聞き返しそうになってしまった。



「だって私がわる…」


「じゃあ何でお前が泣いたんだよ」



何で泣いたこと知ってるの?

波留の言っていることがいまいちわからない。



私は馬鹿かな?






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