【短編】シャーペン
廊下側の一番後ろの席の私は、廊下から聞こえた友達とじゃれている声に胸の鼓動を速くさせた。
「茜!!おはよ!」
「おはよ。あっ波留、先生が呼んでたよ」
波留は「マジで?」と言ったあとに、
「サンキュー」
って笑って言ってくれたんだ。
それさえにも"キューン"となっている私は相当、波留に惚れているのだろう。
あの笑顔は反則だよっ。
波留と隣なんて、とてもじゃないけど……心臓が持たんわっ。
「茜ちゃ~ん。早く告っちゃいなよ」
声の主は不快?な笑みを浮かべ私の側にかけ寄ってきた。
いつもは"ちゃん"なんて付けないくせにさ…