翡翠の姫君〜Side*STORY〜
王子という立場上、そうやって恋に落ちることは滅多にないだろう。
大抵は婚約やら見合いやらで…
だけど…おまえは
心から安らげる相手に出会えたんだ。
それが必然と言うのか、運命と言うのかはわからないけど。
2人が出会った事に、本当に感謝したいよ。
そして…エミリアにも。
レオを好きになってくれて
レオを愛してくれて
"ありがとう"って言いたい。
これから先…
大変なこともあるだろうが、出来る限り俺とティナで支えてやるから。
「…一緒に、頑張ろうな。」
俺はそっと呟いた。
「ん?頑張るって何を?」
きょとんとした顔で不思議そうに言うレオ。
「…エミリアが他の男に取られないよーにだよ!!!」
「はっぁぁぁ!!??
な、何言ってんだおまえ!!」
「おまえ知らないだろー。
エミリア、城内で人気あるんだぞー?」
「…ぇえ゛っ!!!?」
その瞬間、レオの顔が今までに見たことがないくらい強ばる。
「そらまぁ、可愛いしー
誰にでも優しいしー
なんと言っても看護師だしなぁー」
「おっ…まえっ…!!
今何想像した!!??
言ってみろ!!!!
内容によっては殴る!!」
「ぅわっ、殴るだなんて!!
王子が放つ言葉じゃありませんよー、レオ殿下?」
「…っ黙れセルト!!
もう、おまえと話してたら腹が立つ!!!」
毎度のことながら、レオの反応はおもしろい。