翡翠の姫君〜Side*STORY〜
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裏庭の大きな木の下。
ちょうど木陰になっている所に座って、俺は休んでいた。
さっき痛んだ心臓も、もう全く痛くない。
「…なんだったんだ……?」
…あんな痛みは初めてで。
なのに部屋を出るとすぐに治って。
………意味がわからない。
はぁと深く息をついた時
「よぉ。大丈夫か?」
「れっ、レオ殿下!!」
バッと立ち上がろうとすると
「あっ、いいからいいから!!
安静にしとけ!!」
慌てて俺を座らせる。
「もう平気か?」
王子は尋ねながら、俺の前に腰をおろした。
「あっ、はい!!もうすっかり。」
「そうか。
エミリアも心配してたぞ。
おまえ…何か変な物でも食ったのか?」
「いえ…そんな覚えは…」
…と言うより。
変な食べ物を食べても、胸が痛くなることは…
滅多にないです。
そう…つっこみそうになるのを抑えて、俺は詳しく話し出した。