先生が最初で最後だよ
「どうして先生が来たんですか?」
「どうしてって、
なんで?」
「普通担任の先生が来るじゃないですか。」
理奈は泣いていることを悟られまいと、必死に話しかける。
が、神里は分かっているみたいだ。
「あー。
担任の川西先生は忙しいみたい。
あの人、進路指導を受け持っているからね。」
神里は、理奈の目の前に立つと、理奈の頭に手をそっと乗せた。
「………………んっ?」
理奈がゆっくり顔をあげると、寂しげな顔をした神里がいた。
何を言うわけでも無く、ただ辛そうに、淋しそうに…………。