僕らの時間〈3〉
雨の中の傘
ほんま、えらい雨やな。

透明傘から覗く雨の雫が、ゆっくりと流れ落ちていく。

こう蒸し暑いと高原、ご飯食べへんから。
あっさりしたもの作ったろうかな。

目線を前に戻すと、微かに誰かが立っているのが見えた。

長い黒髪の―――――。

「う゛おぉぉっっ!!?」

「ひぁあああ!!!」





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