草食系俺様男子
「私ここだ。じゃあね、しの」
「うん!また帰りにね」
そう言いながら、莉子が入って行った教室のすぐ隣の教室のドアを開けた。
その瞬間。
息が止まった。
心臓が破裂するかと思った。
「っ、」
1番右端の前から2番目に座る彼は、あの時と同じ茶色がかった瞳に髪の毛で。
綺麗な顔…
私は急いで黒板に貼ってある座席表を確認した。
見たのは自分の名前じゃなくて、もちろん彼の名前を確認するため。
右端の、前から2番目…
……今吉、憐…
もう1度振り返って彼の顔を確認する。
間違いない。
あれは合格発表の日、私に第2ボタンをくれたあの人だ。
こんなこと…あるんだ。