草食系俺様男子
「っ、はあ、はぁ…」
学校に着くと、多くの学生でごった返していた。
「しの!」
「莉子!…どうだった?」
校庭の方から私を見つけて駆け寄ってきた莉子。
少し声を小さくして、莉子の結果を聞いてみた。
「はは。それがさ一人じゃ怖くて見れなくて、しの探してたんだ。良かった、見つかって」
「そっか。…行く?」
「…うん」
そこから掲示板に行くまで、二人は一言も喋らなかった。…喋れなかった。
掲示板まで着いて、自分の番号を探す。
周りの雑音なんか聞こえてこない。
聞こえるのは自分の胸の音だ…
ドン!
「ぎゃっ…!」
ひらっ
だれかにぶつかって、その拍子に受験票が手の平から抜け落ちていった。
ぽす…
「あ、落ちた…」
その受験票はそのまま地面に着地。
「え!?嘘!落ちたの!?」
それを聞いて、隣にいた莉子が私の肩を掴んで揺らした。
「へ?あぁ、違う違う!受験票がね、受験票!」
「…な、なんかそれはそれで不吉なんですけど…」
「…確かに」
ものすごく不安になりつつ、しゃがんで受験票を拾おうとした。
でも。