心失恋
家族が来てからの私は少しづつだけど前向きに病気と向き合えるようになった。


涙は流さないと誓って友達や母親と向き合う事もできるようになった。
二週間の病院生活も、思っていた以上にすぐに過ぎていった。


同じ病室の子とも仲良くなり、最後の日に泣きそうになった事を今でも思い出す。

糖尿病という病気が家族や友達との絆をこんなに深めてくれるものだとは思わなかった。
「母親のせいで」
と心の中で憎んだ事もあった。

けど…確実に私を成長させてくれた病気だった。


おかしな発言かもしれないけど「病気になってよかった」












けど、そんな気持ちの中でも二つだけ頭から消えないもの。
それは「妊娠するのが難しいでしょう」
の言葉と「産まれてくる子供が同じ病気の確率が高いでしょう」
の言葉だった。
家族が誰もいない時に医師からつげられた言葉。

しばらく口をあけたまま返事ができなかった事を覚えている。

この世に産まれてきて自分の家族を信じれないで生きてきた15年間だった。
だからきっと普通の15歳より新しい家族を作る事を夢見てきたと思う。

でも………それを叶える事できないかも…
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