心失恋
帰る親友を見る事もできず、暑いのに仰ぐのも忘れただただボーッとしていた。

授業が終わった後も頭からヤバイの言葉が消えず、他の授業も身に入らず、その日の授業が終わり、廊下を歩いていたら誰かが私の肩を叩いた。
あまりにボーッとしていたので、振り向くのも遅くなり、私の目に人の姿がうつるのはかなり後だった。
そして、その人は今一番会いたくなかった人。

…ホケンノセンセイ…

その人が今私に言いたい事は顔を見ればわかる。
ただ聞きたくない。
その気持ちから私は足を更に動かした。
けど、彼女はそんな私に言う。
「なるべく早く病院にいきなさい」
この短い言葉を耳にいれるのが何よりも怖かった。
病名を聞きたいけど口が開かなかった。

当時、反抗期だった私は恐いもの知らずだったにも関わらず、かなりの動揺から顔を見れなかった。
15の私には受け入れるのがきつかった。

けど、病院で想像をはるかに越えた言葉を聞かされる事となった。


(死んでしまいたい)

リアルにそう感じた。
何もいらない。
消えてしまいたい。
二度と忘れない夏の幕開けだった
< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop