心失恋
夏休みにはいり、私は病院に行く事にした。

母に伝える事が何よりも辛かった。
まともに顔が見れなかった。

そんな母といった一個目の病院は近所の小さな町医者だった。
入った瞬間襲ってきた恐怖。
何も診察していないのに手だけがびしょびしょだった。

〜数分後〜
名前が呼ばれた。
診察室にはいり、先生の前に座った瞬間に言われた言葉。
「若年性糖尿病に間違いないでしょう」
はっきり言われた。
そして医師は淡々と話を続ける。
落ち込む間も与えないかのように…
「お母さんよく聞いてください。早めにきていなかったら手遅れでしたよ。若年性は進行がはやい。失明していたかもしれません。すぐに入院が必要ですが、この病院では無理です。大きい病院にすぐ連れてってあげてください。」

医師が話す事を私は受け止める事ができなかった。
(手遅れ)(入院)(失明)
自分に無縁と思っていた言葉の数々。
しばらく母と呆然としていた。

その後、母は私が一番気になっていた言葉を切り出した。
「治るのでしょうか?」


沈黙が続く。
そして医師は言った。
「コントロールはできますが一生付き合っていく病気です」
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