心失恋

病敵病友

そして、いよいよ入院当日

私は入院前にお祭りやら、花火やら夏の風物詩と言えるものは全てやってきたので、その日になった時には案外気持ちは落ち着いていた。
母親もあの日の涙以来泣かなくなった。

そして、入院生活が幕をあけた。

小児科の病室に案内された私。
まわりは私より小さい子ばかりだった。
その子達を見た私の正直な意見。
[この子達も懸命に生きている]
何も知らない赤ちゃんが笑っている。
ただただこっちを見ながら…


くよくよしてる場合ぢゃない。
私は更に強くそう思った!

最初の二日間は検査やらでバタバタしていた。
忙しいという表現は間違っているかもしれないけど、まぁー悩んだり、落ち込んだりしてる暇はなかった。

けど…残りの日々が地獄だった。
夜中にふと目が覚める。
あたりを見回すと病院にいる事を突き付けられる。
携帯もいじる事ができない病室。
急に不安が押し寄せる。
[誰でもいいからそばにいてほしい]

強がって生きてきた私が人を心から求めた瞬間だった。

それを教えてくれたのは紛れもなく私の病気だった…
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