勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


私の声が部屋に響き、みんなの会話が途切れてしまった。


それに赤ちゃんに向けられてたみんなの視線が私に集まり、


「あの…ごめんなさい。」


勢いで口を開いたことを反省する。


「えっと…どうぞ続けて…下さいね。」


邪魔をしてしまったことに申し訳ない気持ちになって私は布団を頭まで被った。


空気が読めないって今の私のことだろう。


ギュッと瞼を閉じるとたくさんの衣擦れの音がする。


みんな呆れて部屋を出て行っちゃうのかな?


涙が出るのを堪えて体が震えた。


だけど襖が開く音は聞こえず、布団をポンポンと叩かれて、私はおずおずと布団から顔を出した。

「紫衣、よく頑張ったな。」

私の頭を撫でながら三成の言葉。


「立派な男の子の誕生、おめでとうございます。」


私の手を取って話す左近さん。


「これでお家も安泰です。」


ニッコリと微笑む桔梗さん。


「阿呆紫衣にしたら上出来だな。」


やっぱりな紅葉さん。


布団を取り囲んで声を掛けられた。


こんな風に言われたら、涙が我慢できるはずない。


私の目から大粒の涙がポタポタと零れ落ちた。






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