勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


見つめ合う二人。


三成の綺麗な顔が私に近づいてくる。


ゆっくりと顔を傾けて近づく三成の吐息を感じて私はそっと瞼を伏せた。

だけど三成の行動はピタリと止まり、私の唇に三成が触れてこない。


なぜ?


不思議に思って瞼を持ち上げると妖艶に微笑みながら私をジッと見つめる三成と視線が絡んだ。


「おあずけだ。」


ニヤリと口の端を持ち上げる三成に私は首を傾げる。


おあずけってキスのこと?


触れたいのに…


どうして?


だけど自分から触れたいなんて恥ずかしくて言いたくない。


キスを期待していたのに肩透かしをくらったなんて…


言いたいけど――。


――言えるわけない。


ふつふつと湧き上がる不満をぐっと押し込めて私は大好きな花饅頭に手を伸ばした。


なのに、三成は花饅頭に伸ばす私の手を取って静かに横に首を振る。


なに?


どうして?


驚いて三成に視線を向けると、彼はまた微笑みを深くして襖を指差した。







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