勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「本当にごめんなさい。」


手にしていた破れた袖を椿さんに返しながら深く頭を下げて謝る私の目の前にはニヤニヤと笑う紅葉さんの姿があり、


「また何かしでかしたのか?」


触れて欲しくない部分を的確についてくる。


「紅葉さんには関係ないんだから!」


ぷいっと顔を逸らして声を上げると部屋にはどやどやと人が集まってきた。


「おやまあ…」


椿さんの姿を一瞥してから声を出す朱里さん。


「派手に暴れたんだな。」


何か勘違いしてる左近さん。


「暴れるほど薬が苦痛なのですか?」


更に勘違い発言をする桔梗さん。



「違うよ!違うのッ!」


両手を胸の前でふりふりと振りながら応える私を椿さんと三成は顔を見合わせて笑っている。


「阿呆紫衣、そんなに必死にならなくても俺たちにも状況くらいよむ力はあるぞ。」


からかっただけだってケラケラと笑う紅葉さんに一瞬呆気に取られながらも、


「意地悪紅葉!」


シッカリ悪態をつく私を見ながらみんなはくすくすと笑いを漏らす。


なぜ私はいつもみんなに弄られるの?

恥ずかしさに俯いている私の肩に三成は手を置いて、


「皆、嬉しいのだよ。」

言葉を紡いだ。


振り返ると優しく微笑む三成の姿。


そしてみんなもとても優しい表情で私を見つめていた。









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