勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
三成の優しい声が部屋に響く。
「宴は面倒ではないのですか?」
無理はして欲しくない。
みんなが、三成が困ることになるのならと強く宴の話をしていたのに、いざ三成が宴を開くと口にするのを聞くと本当にそれでいいのかと私に迷いが出てしまう。
勝手な言葉だと承知の上で迷いを口にしてしまう私を三成は抱きしめる腕の力を強めて言葉を落とした。
「俺の側はあたたかいのであろう?
ならば清正らにあたたかい家族というものを見せびらかせてやろうぞ。」
くつくつと喉の奥を鳴らすように笑う三成。
「見せびらかすなんて…」
戸惑いがちに声を出す私をまた体の位置を変えるように転がって床に組み敷くと三成は私を見つめてから顔を近づけてきた。
綺麗な三成の整った顔が吐息がかかるくらいに寄せられ恥ずかしさに瞼を閉じると降ってくるのは三成の唇で、額に彼のぬくもりを感じた後唇が塞がれた。
触れるだけの優しいキスの後、そっと瞼を持ち上げると私を見つめる三成と視線が絡んで、
「見せびらかせてやりたいが紫衣が奴らの目に映るのは気分のいいものではない。」
言葉を紡ぎ終わったと同時に噛みつくように激しいキスが降ってきた。