勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「で?全然成長してない紫衣が宴の席で何をもてなすというの?」


「何気に傷つくよ?紅葉さん。
って…私やっぱり全然ダメ?」


「姫様は宴の間は重家様と殿のお側に座っているだけで良いのですよ。」

「だけどね?
やっぱりお客様をもてなすのは妻の務めじゃないの?」


「今回は朱里に俺、桔梗に椿の4人もいるんだ。紫衣の出る幕なんてねぇよ。」


「だけど女装イヤなんでしょ?」


「別に…。」


「嘘だぁ、だって前はめちゃくちゃイヤだっておこってたじゃない。」


「忘れた…。」



三成が宴を開くと決めてからは着々と準備が進み、なのにやっぱり茅の外状態の自分に納得がいかなくて朝の薬で部屋に来る桔梗さんを待ち構えて宴の話を聞き出した。


だけど私の行動をわかっていたかのように紅葉さんも一緒にいて結局言い合いに発展して、


「とにかく紫衣は桔梗のいう通り余計なことを考えずに殿と重家様の側に座ってろ!」


「でもそれじゃ三成が悪く思われちゃうんじゃないの?」


「それが余計なことなんだよ!」


「何が余計なのよ!」


「余計は余計なんだよ!」


「なによ!意地悪紅葉!」


「うるさいぞ!阿呆紫衣!」









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