勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
なんなの!!
もう知らない!!
襖に手をかける三成をじっとりと睨みつけた。
疲れてるからとか彼を思いやる気持ちになれなかった。
たった一言で良かった。
彼の口から私を束縛する言葉を聞きたかったんだ。
それって我儘なのかな?
彼がどんなに忙しくても部屋に訪れ、眠っている私を見てから部屋を出ていたことなんてすっかり頭から抜け落ちていた。
だけど睨みつけながら、そのことを思い出した私はやっぱり反省するしかなく、
「おやすみなさい。」
俯きながら彼の背中に言葉をかけて布団の中に入るため、掛け布団を整えた。
「そんな元気のない声を聞いては部屋に戻れぬよ。」
布団の横に正座する私をすっぽりと包む彼の腕。
ふわりと香る彼の匂いにじわじわと涙があふれ出した。
「ごめんなさい。」
涙を堪えながらだから一言しか話せなかった。
謝るだけで精一杯だった。
「何が聞きたい?」
なのにやっぱり三成は意地悪に私に言わせようとする。
きっと私の言いたいことなんてわかっているはずなのに...。
だけど素直になりたい、そう思うから私の口は心の中のもやもやを三成に向けて吐き出していた。
「どうして応えてくれないのですか?それが三成様の心を知る言葉になると思うから私はあなたの口から聞きたかったのです。」
全てを言い終わると同時に頬を涙が伝った。