勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「紫衣は母になったのであろう?」
赤ちゃんを私に差し出すように両手で抱いて三成が話し掛けてくる。
「嬉しいですか?」
どこか寂しく思うのは母という言葉。
赤ちゃんは可愛い。
だけど三成に母と言われるのは少しだけ寂しい。
「嬉しくないはずがない。俺とお前の子だ。」
三成から赤ちゃんを受け取りギュッと腕に抱いた。
小さくて可愛い赤ちゃん。
それにみんなが言うように三成によく似ている。
「口元が紫衣によく似ている。」
「目や鼻はあなたにそっくりです。」
二人の子供。
寂しさが和むような気がした。
忙しい三成とほんの少ししか時間を過ごせなかった私にとって今日は三成とゆっくりと過ごせている。
そのことが嬉しくて、そして寂しかった。